ファイナールの品質管理 ~味覚テストの実施~
食品会社による品質管理の検査項目は大きく分けて
・pH、水分活性、栄養成分測定などの “理化学検査”
・一般生菌、大腸菌群測定などの “微生物検査”
・試飲、外観確認などの “官能検査”
の3つに分類することができます。
今回はその一つである官能検査で大切な「味覚」について、ファイナールの取り組みをお話していこうと思います。
数値で表せない!頼れるものは自分の感覚☆
“官能検査”は、理化学検査や微生物検査などの数値によって比較できる検査とは違い
人間の感覚がとても重要になる検査です。
基準品と味や香りに変化がないか、異味異臭がしないかなど
異変に気付けるのは、弾き出された数値ではなく自分の感覚だけなのです!
特に重要になってくるのは舌で感じる「味覚」です。
残念なことに人間の味覚は、生活習慣の乱れや老化とともに低下していってしまいます。。。
ですが鍛錬次第では実用的な味覚能力の低下は最小限に食い止めることができるのだそうです!
【味覚テスト】の実施!
ファイナールでは日頃の味覚能力を確認するため
(普段の生活習慣をふり返り、自分への戒めのため!)
品質管理検査員を中心とした味覚のテストを実施しています。
テスト内容は、5つの基本味である『甘味、塩味、酸味、旨味、苦み』のそれぞれの味を
濃度別に試飲し、評価・確認していきます。
官能評価は数値で表せませんが、このテストを行うことで
自分の味覚が5味に対してどのくらい判別できるレベルなのか、定期的に確認しています。
濃度は3段階になっていて、正解率によって点数を付けていきます。
レベル1(濃い濃度) …ほとんどの人がそれぞれの味質を感じ分けることができる。
レベル2(薄い濃度) …健康であればそれぞれの味質を感じ分けることができるが
一般の方(20~50歳代)の全問正解率は約50%程度と高くはない。
レベル3(かなり低濃度)…それぞれの味質の判別がかなり難しく、味を感じることも難しい。
認知限界付近。ほのかに味を感じる人もいれば
わからない人にはだだの水と変わらない。。。
味の濃度が薄まりレベルが上がるほど、皆さん表情が険しくなり
目の前にある“ほぼ水”の試飲カップと真剣に向き合っていました。
試験者は品質管理・品質保証部、本社営業部、研究・開発部、
製造部からはお茶原料を焙煎する焙煎係・お茶原料を調合するブレンド係が参加しました。
とても難しいテストですが今回の成績は、日頃から原料の品質チェックに勤しむ品質管理部、
焙煎機を巧みに操り、それぞれの原料をベストに焼き上げる焙煎職人の焙煎係から全問正解者が出ていました!
選ばれし“味覚のスペシャリスト”☆
品質管理部ではこのテストの結果をもとに、味覚に優れた精鋭たちを中心として試飲検査を行っています。
その際、直近のテスト結果から成績優秀者を他部署からも選出し、多人数で試飲をすることで
精度の高い試飲検査を実施しています。
今後も定期的に味覚テストは継続していく予定ですが、スキルアップを目的として
品質管理部を中心にもっと短いスパンで特訓をしていく計画を立てているそうです。
こうした側面からもファイナールの品質管理は日々向上しています☆